食中毒

薬局の北條です。

もう8月です。7月は少し涼しい天気でしたが、最近は暑いですね。夏です。しかし注意しなくてはいけないのは食中毒。私も加熱用の牡蠣を生食して下痢・嘔吐に悩まされた過去があります。まずは食中毒の発生状況を見てみましょう。下の表は札幌市のHPの去年の食中毒発生状況です。これは診察した医師が保健所に報告した件数です。

平成30年札幌市食中毒発生状況

アニサキス13件とノロウイルス12件が多いですね。冬の主役はノロウイルスですが、夏は高温多湿なため菌の増殖がはやいです。カンピロバクターやサルモネラなどが流行しますので注意しましょう。

アニサキスは魚に寄生する寄生虫で、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒となります。激しい腹痛があるとされ、胃内視鏡で摘出しなくてはなりません。魚の刺身は美味しいですがまず鮮度に注意することと目視で「いる」かどうか確認しましょう。居酒屋で食べる時は、信じて食べるしかない・・。

 さて、自分で食事を作る時に注意する点は3つあります。食中毒予防3原則です。特にノロウイルスを念頭におきましょう。

  1. 菌をつけない
  2. →手洗いと調理器具を洗浄消毒しましょう。特に生の肉や魚、卵を触った後には必ず手を洗いましょう
  3. 菌を増やさない
  4. →多くの菌は10°以下の冷蔵庫で増殖が遅くなり、-15°の冷凍庫で増殖が止まりますが室温に戻すとまた増殖を始めます。夏のような高めの室温では2,3時間の放置ですでに危険となります。調理後はすぐ食べること、カレーのように後日食べる場合は小分けして冷蔵庫で急速冷蔵しましょう。
  5. 菌をやっつける、しっかり火をいれましょう。できればノロウイルスの失活する中心温度85~90℃で90秒間以上が理想です。

冬期はノロウイルスが流行します。去年の札幌市も12月に6件もでています。ノロウイルスはとても感染性が高く、私も経験しましたが辛い下痢・嘔吐を主症状とします。ノロウイルスは人のみに感染しますが、その感染経路は汚染された牡蠣などの二枚貝を食べた、ノロウイルスが手に付着し、その手が口に触れた場合、ノロウイルスが飛沫/粉塵となり、口・鼻から入った場合(飛沫/粉塵感染)の3つです。上にあげた食中毒予防三原則を守っていきましょう。繰り返しますが居酒屋で牡蠣を食べる場合は店主を信じましょう。

 ノロウイルスは次亜塩素酸(ハイターです)が有効なので、当院では冬期のノロウイルス対策として毎日手すりやソファー、ドアノブなどに次亜塩素酸を使用して拭いています。また、冬期だけではありませんが、手洗い又はアルコール手指消毒薬が有効ですので、入院されている患者さん、お見舞いにこられたご家族の方には、トイレのあとや病室の出入りの際にアルコール手指消毒薬を塗布してから入室していただくと感染の流行を予防することができます。ご協力お願い致します。

 

医療情報管理室

次の記事

夏の思い出