休みの日は書店でぶらぶら立ち読みが趣味の、言語聴覚士・小田柿です。
言語聴覚士はコミュニケーションに関わるお仕事なのですが、困ったことに私自身はとっても話が下手です。
世の中には私と同じように話が下手なことを自覚している人が少なくないようで、
書店でも『初対面の人と楽しく話せる会話術』『会話がはずむ!5つの法則』などといった会話術の本が並んでいます。
でも本を読んだからと言って、急に会話がうまくなるというわけにはいきませんよね…。
そこで、私がお手本にしているのは日々接している患者さん達です。
「昨日、大事件があってさ〜」と、病棟での出来事を楽しくオチをつけて話してくれたり、
「私の若い頃は歌声喫茶っていうのがあってね…」と、私の知らない時代の話を聞かせてくれたり、
一つ質問をすると、二つも三つも言葉がポンポン返ってきて、頭の回転の速さにびっくりしながら、
次から次へと飛び出す冗談にいつも笑わせてもらっています。
もちろん患者さんとの会話は楽しい話ばかりではなく、辛い話になることもありますが、
会話することでストレス解消になった、気持ちが落ち着いた、と言ってくださる方もいて、
改めて会話の大切さを感じています。
神経内科の患者さんには、声が小さかったり、発音がしづらい方もいますが、
会話は声を出して話すことだけではありません。ジェスチャー・筆談・頷き・表情の変化…。
相手に伝えたい気持ちと、相手を知ろうと思う気持ちがあれば、会話はできると思います。
これからも患者さんに会話力を鍛えてもらいつつ、コミュニケーション支援を頑張りたいと思います。