Gallinago Hardwickii

学名 Gallinago Hardwickii
和名オオジシギ。全長30㎝の鳥です。
毎年春にオーストラリアから日本やロシアに渡り、子供を産んで育てます。そして秋、生まれた若鳥も親鳥も再びオーストラリアへ戻っていきます。
4月のGW頃に私の実家近くにもやってきます。「オオジシギ キタ――(゜∀゜)――!!」とすぐに判ります。
雄が縄張りを主張して行う『デイスプレーフライト』の轟音が空から聞こえるのです。激しく鳴きながら空気を切り裂くように急降下する音を初めて聞いた時は、わたくし、仰天致しました。別名を雷(かみなり)シギとも言います。

アイヌの人々は、春を告げるこの使者を、その鳴き声から「チピヤク」と呼びました。
アイヌの人々の自然観察眼とネーミングセンスには本当に感服致します。
 最近研究者により、オオジシギの渡りのルートが徐々に解明されてきました。
GPSを搭載した発信機を付けたオオジシギを放ち、その飛行ルートを追跡したところ、苫小牧の勇払原野を飛び立った個体が一度も陸地を経由せず、
海上を9日間、オーストラリアまでの9000㎞を一気に飛び続けたのです。
オーストラリアへ帰る頃はちょうど台風シーズンと重なる為、巻き込まれてしまったのか海上で信号が途絶えた個体も複数確認されました。
「過酷な旅を経て、よくまぁ無事に帰ってきてくれた!」とわたくし毎年感激し、自然の神秘に胸を打たれるのです。

今、そのオオジシギの主な生息地の1つであるオーストラリア東部の森や草原が燃えています。
圧倒的な猛火を前に立ち尽くす消防士の姿がニュース映像で流れました。
今回の森林火災や熱波、最近発生した豪雨による洪水により、オーストラリアに棲息する数多くの野生動物の命が失われた可能性が高いと報じられています。
 どうか無事に生き永らえて、今年も北海道の空にディスプレーを響かせて欲しい。
待っていますよ オオジシギさん。 

連携室 Y

 

 

看護部

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