「調剤」について

いつもこのブログをご覧頂いてありがとうございます。
薬剤師の北條です。

薬剤師といえばどのような印象をお持ちでしょうか?
「薬を取り揃えて説明とともに薬をくれる人」というのが一般的なイメージかもしれません。

この「薬を取り揃える」というのが調剤になり、薬剤師の代表的な仕事の一つになります。
しかしただ医師に言われた通りに薬を袋に詰めているわけではありません。

患者さんは待ち時間が長くて早くしてよ!と思われるかもしれませんが、このとき薬剤師は何を考えて調剤しているのでしょうか?

薬剤師は処方箋に対して、患者さんの病気や状態などイメージしながら、どうしてその薬が処方されたのか?またその飲み方や飲む量(用法・用量)、その投与期間は正しいのか?他の病院から同じ種類の薬が投与されていないか?過去に薬のアレルギーがあったのか?など考えています。
薬を飲むと、腸で吸収、血液を通じて全身を巡って(分布)効果を発揮し、肝臓等で薬の効果がなくなり(代謝)、尿や便から排泄するというような過程を踏みます。多くの場合は、問題とならないのですがまれに飲み合わせの悪い薬を使用している場合もあるため、患者さん毎に使用している薬の内容を確認し、安全に使用できるかチェックしています。
特に年齢を重ねることで体の機能が低下しており、薬の効果が強くなったり、体の中に長くとどまるようになったりすることがあるため、副作用を起こすリスクが高まってしまうことがあります。

もし処方箋に不備や疑問点があれば慌ただしく診療をこなしている医師に確認後調剤します。
いつも通り処方されたと思われる薬(処方箋)について毎回、上記の内容を考え調剤しているために遅くなることがあるのです。

当院では、院外処方箋の発行を推進しているので、私たち薬剤課は入院患者さんの調剤が主となります。
当薬剤課はチーム医療の一員として処方箋に基づく治療が間違いなく患者さんに享受されるよう精進してまいります。

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