秋の夜長に

最近は本を読むのはスマホという人が増え、ほしい本があるとメールで注文する時代になったが、未だガラ携で、時計もアナログが好きな私にとっては、読書は紙の本でなければならない。本が好きだ。本屋さんの空間が好きだ。本棚には数えきれないほどの本があるのに、まるで私が見つけてくれるのを待っていたかのように、手に取ってしまう本。本屋さんに立ち寄るたびに、そんな本との運命のような出会いに心ときめく。

 今夜間中学で、もうすぐ90歳になる生徒さんと一緒に、詩や絵本を読んでいる。彼女のおかげで多くの詩や絵本と出会い、私自身がその魅力にはまってしまった。気づいたら我が家の本棚は300冊以上の絵本や詩集で埋まっている。
絵本の世界は豊かで奥が深い。子どもにもわかるシンプルな言葉と絵で描かれた世界は、忘れかけていた素直な心を呼び覚まし、大切なことに気づかせてくれる。心がささくれ立った時も、元気が出ない時も、絵本を手に取り、ページをめくっていると、いつの間にか心がほどけ、優しい気持ちになっている。
ひらがなの読み書きがやっとできるようになった生徒さんが、国語の時間にこんな素敵な作文を書いてくれた。

 えんゆうじゅくで べんきょうするようになって いままで みえなかったせかいがみえるようになった。いままで きづかなかったことに きづくようになった。みちばたでさいている ちいさな花や いきものが いとおしくかんじるようになった。じぶんのまわりのけしきが ちがってみえる。じぶんのせかいが ふかくなったかんじがする。
なんだか じぶんが 大人になったようなきがする。

 いくつになっても、彼女のように瑞々しい感性と、学ぶ心を持ち続けたいと思う。

秋の夜長、難しい本に挑戦するのもいいけれど、たまには詩や絵本の世界を旅してみませんか?きっと素敵な出会いが待っていますよ。

                           総務課の局