その人らしい豊かな生活が送れる事を目標としています

神経難病の患者さんは症状の進行、廃用障害などにより入院を繰り返すことが多くなります。

神経難病は現在の医学で治癒することはありませんが、リハビリテーションでは患者さん個々の身体症状や生活環境に合わせてリハビリメニューを作成し、運動機能、言語機能、生活能力を最大限に引き上げ、その人らしい豊かな生活が送れる事を目標としています。

円滑に生活が送れるように、ご家族の介護負担を軽減することや生活環境の工夫をすることもお手伝いしております。

リハビリテーション部では西区在宅ケア連絡会に積極的に参加し、地域ケアについて学び、顔の見える地域ネットワーク作りを大切にし、地域に貢献していけることも目標としています。

難病を患った皆さんの役に立てるように、明るく楽しいリハビリ室造りと人材育成を目指しています。

自宅へ帰られる患者さんへは、入院という特殊な生活から実生活にスムーズに戻れるようにケアマネージャーさんや訪問看護師さん、ホームヘルパーさん、リハビリスタッフの方々に入院中の情報を提供し連携を取るようにしています。在宅スタッフを病院に招いて合同カンファレンスを開催し、より詳細に病状や退院後のケアについての情報交換をおこなうこともあります。

理学療法科

 理学療法科は神経難病で様々な運動障害を起こされた方に運動療法を中心とした理学療法を個別で提供しています。

 寝返りや起き上がりなど起居動作の障害、ふらつきや引きずりなどの歩行障害を改善すること、病気の進行に負けないよう予防する事を目標に行っています。入院中のリハビリだけではなく、退院後の生活に役立てられるように自宅で出来る自主トレメニューの作成、専用スペースでの外来リハも行っています。

 退院間近な患者さんには、実際にご自宅にお伺いして、生活環境や動作の確認、福祉用具の導入、手すり設置位置の検討などを患者さん、ご家族と一緒に考えます。全道各地から来られる患者さんに退院後の不安がないように、医師や相談員、看護師とともに、戻られる地域のスタッフの方々と連携をとり、在宅生活をより良く過ごせるように支援しています。

 神経難病について患者さんと共に向き合い、運動を通して、良きパートナーとして協力していきたいと思います。

作業療法科

作業療法では日常生活における『不安なこと』や『困っていること』への解決方法を見つけるお手伝いをしています。

1.運動機能が低下した場合は訓練器具を用いて機能の改善を図ります

握力をつけたり細かいものをつかんだりといった運動中心の機能訓練です。

2.日常生活動作が安全に楽にできるように繰り返し練習をします

トイレでのズボンの上げ下げ、ベッドでの着替えや洗面所での歯磨き、食事での箸使いの練習など訓練室だけではなく病棟設備や病室で行います。

退院後家事が必要な場合は調理動作や掃除、洗濯物干しなどできるだけ日常生活に近い場面を設定して繰り返し練習します。
書字やパソコン操作の指導、練習も行っています。
自力では難しい場合でも助けになる福祉用具の紹介や相談を承っています。

3.物作りやレクリェーションを積極的に取り入れています

棒体操やボールを使ったゲームなどで身体を動かして大きな声で笑って元気になっていただけるよう工夫もしています。細かい手仕事が好きな方には工作や縫い物、革細工が人気です。物作りやゲームは話題の「脳トレーニング」「認知症予防」にも効果があると言われています。

楽しい活動を通して生き生きとリハビリテーションに取り組んでいただけることが私たちの願いです。

言語療法科

言語療法では、言語障害や摂食・嚥下障害(飲み込みの障害)などに対するリハビリを行っています。

訓練は訓練室や病室で、専門の言語聴覚士がおこないます。

おもに声を出す練習・発音の練習・飲み込みの練習・口や舌など話しをするために必要な器官の運動・・・など患者さまの症状にあわせた訓練をおこないます。

「大切な人と会話をする」という「たのしみ」、「おいしいものを食べる」という「よろこび」を再び感じていただけるよう、明るく楽しい言語療法を目指しております。