病気になったらどうすればいいのか

神経内科の病気と診断された患者さんと家族が,これから病気を持ちながら生きていくにあたって,その道標になればいいなと思いながら書きました.

「病気になったらどうすればいいのか」

まず,病気をきちんと診断することはとても大切です.診断が決まることで,ある程度,将来の見通しがたち,今何が必要かがわかります.
ただ,ある診断名がついたとしても,経過は人によって様々であることは忘れないようにしておきたい.
ある時点で,診断がつかない場合もあるけれど,だからといって,その事であまり思い悩まない方がよい.その時にできることをしながら経過をみたらいいのです.

次にすることは,現在の状態を把握することです.今,何が問題で,なにが必要なのかを考えて,それに対応します.
将来,起こり得ることを知り,それに備えることは重要ですが,まだ起こっていないことを無闇に恐れる必要はありません.対応しておかなければ手遅れになることはきちんと準備しておく必要があるけれど,その時になってから考えればいいことは,先延ばしすればいいのです.不安を持ちながらでは,現在,目の前にある問題に全力を出し切ることができません.前向きな明るい気持ちがあってこそ,はじめて力を出し切ることができるのです.

難しいことを無理してやることは必ずしもよいことではありません.できないことがあるのならば,ほかになにかよい方法がないか考える.希望を忘れず,諦めさえしなければ必ず道は開けるのです.

そして,いつも思うのだけれど,それは,山登り,沢登りと同じだな.
自分の現在の力量をよく考えた上で,目標を決める.
なにが起こるか予測して,それに対応できるように準備する.
歩き出したら,目の前の問題にひとつひとつ立ち向かう.
先に出てくるかもしれない壁のことは当面先送りして,現在の問題に集中する.
リスク取らざる得ない局面がたくさん出てくるのは仕方ない.危険を冒さなければ進めない道はある.
ただ,致命的になるリスクは避けたほうがいい.回避できるならば回避する.自分の限界を知り,無理はしない.
なにかを捨てなければ前には進めない.だから,なにが自分にとって大切かよく考える.

自分の一番大切なものを守り切って辿り着いた場所.それが最高の到達点.

無理矢理感が無きにしもあらずですが,娘が撮ってくれた写真がとてもよくて,なんとなく病気に立ち向かう姿に見えたので使ってみました.表情が見えないことで,より普遍性が増します.1枚目と2枚目,微妙に闘い方が違う.どちらもだいじ.1枚目は,前に進むエネルギー,そして試練をかいくぐって突破していく柔軟性,俊敏性.2枚目は気迫.逃げちゃいけない時は逃げずに敢然と立ち向かう.

仕事で毎日やっていることが,山でも生きるし,山での経験がまた仕事に反映されます.

M.Nonaka

検査課

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