筋萎縮性側索硬化症(ALS)に代表される、運動ニューロン疾患は、運動ニューロン(運動神経)が進行性に障害される神経変性疾患です。

 依然として病因は解明されておらず、治癒することも難しい疾患ですが、疾患に伴って生じてくる種々の症状をコントロールしながら、病気を持ちながらも、生活の質を高めて生きていく援助も可能となってきています。

 運動ニューロン疾患専門外来では、それらの患者さんの診断・治療法について、主治医の先生のお手伝いをさせていただきます。

1.運動ニューロン疾患・ALSの症状

  • 感覚異常を伴わない進行性の筋力低下・筋萎縮
  • 呂律が回らないなどの構語障害
  • 飲み込んだりする機能が障害される嚥下障害
  • 呼吸する力が弱くなる呼吸機能障害

これらの症状は他の疾患でも起こり得るので、神経学的診察と種々の検査によって診断をおこないます。

2.診察内容

  • 診療情報をもとに病歴の再聴取をおこないます。
  • 神経学的診察をおこない、その段階での神経学的異常所見を把握します。
    運動神経には、上位運動ニューロンと下位運動ニューロンがあり、ALSではその両者が障害されるため、その確認が必要です。
    またALSでは、基本的には見られない症状を確認することも重要です。
  • 検査
    既に施行されている検査を確認したうえで、さらに必要な検査があればおこないます。
    運動ニューロン疾患・ALSに必要な検査は以下の様なものです。
     血液検査
     髄液検査
     神経伝導検査
     筋電図
     脳MRI
     脊髄MRI
     高次脳機能検査
  • 診断
    運動ニューロン疾患・ALSと確定診断するための特定の検査はありません。診察と検査により運動神経が障害されていることが明らかであり、他の疾患の可能性が全て否定されて初めて診断されます。
    診断にあたっては、運動ニューロン疾患・ALSに症状が類似している他の疾患、特に治癒が可能な疾患を見逃さないことが重要です。

3.疾患の説明と治療方針の提示

主治医の先生の意向を確認したうえで、運動ニューロン疾患・ALSとはどのような疾患で、患者さんは現在どのような状況にあるのか、将来どうなるかなどについてお話しします。
主治医の先生には、診療結果及び今後推奨される治療などを提示させていただきます。
運動ニューロン疾患・ALSを治癒する治療法はありませんが、種々の症状をコントロールする治療法はあり、それによって生活の質を向上することが可能です。
また、呼吸補助や栄養管理も重要です。それらについて、個々のケースに即して主治医の先生の診療のお手伝いをいたします。