小脳性運動失調症専門外来では、ことばのもつれ、手のつかいづらさ、めまい、歩行時ふらつきなどの小脳性運動失調症状を呈する患者さんの診断・治療方法について、主治医の先生とご一緒に検討致します。

1.対象となる患者さん

小脳性運動失調症を呈する患者さんの訴えと症状は多彩であり、対象となる疾患も多数あります。
疾患により治療方法が異なるため、正確な診断をする必要があります。小脳性運動失調の自覚症状や対象疾患は以下のようなものです。

小脳性運動失調の自覚症状

  • まっすぐに歩けず、ふらつく。転びやすい。
  • 呂律が回りにくい。(爆発的、あるいは言葉を一つ一つ区切るような話し方)
  • 字を書くのが下手になった。
  • しばしば「手足の力が弱くなった」と訴えられますが、実際には筋力は正常なことが多く、自分の思った方向へ手や足が向かないためにこのように表現されます。
  • 動作が遅くなった。
  • めまいがある。

対象疾患:頻度の多い疾患は以下のものです。

  • 変性疾患:脊髄小脳変性症( spinocerebellar degeneration: SCD)
  • 多系統萎縮症 (Multiple System Atrophy: MSA)を代表とする非遺伝性(孤発性)SCDと、マカドジョセフ病(SCA3)、SCA6、DRPLAなどを代表とする遺伝性SCD)
  • 感染症(ウィルス性小脳炎、プリオン病など)
  • 血管障害(小脳梗塞や小脳出血, crossed cerebellar diashisis)
  • 栄養障害(アルコール性小脳萎縮症、胃全摘後の栄養障害)
  • 自己免疫性疾患(多発性硬化症、膠原病)

2.診療内容

  1. 診療情報をもとに病歴の再聴取を行います。
  2. 神経学的診察
    必要に応じ小脳性運動失調や他の随伴所見(痙性やパーキンソンニズム)に関する定量的機能評価を施行し、ご報告いたします。
  3. ■定量的機能評価

    • SARA:小脳性運動失調症
    • UMSARS:多系統萎縮症の機能
    • Ashwoth scale:痙性
    • UPDRS:パーキンソンニズム

      

  4. 検査
    原則施行いたしませんが、主治医の先生とご相談のうえ必要な検査を施行させていただくことがございます。

    ■検査

    • 血液検査
    • 髄液検査(入院必要)
    • 高次脳機能検査
    • 重心動揺計
    • 画像検査
       脳MRI
       脳血流SPECT、心筋シンチ、 DAT SCAN(他施設で施行)
    • 遺伝子解析(他施設に依頼)

      

  5. 診断と治療方針
    以上の結果をふまえ、診断、治療方針について検討いたします。

3.結果のご報告・ご説明

  1. 主治医の先生には前記の診療内容の結果を早急にご報告申しあげます。
  2. 患者さん・ご家族へは主治医の先生と連携を図ったうえで、ご説明いたします。