咳止めのお薬の話

薬局の北條です。
風邪をひいて咳が止まらない。そんな辛い時にドラッグストアに行って咳止めの薬を買うことがあるかもしれません。
しかし咳止めの成分の中に「コデイン」という成分が入っている場合は、2019年から、12歳未満の小児には使用できなくなります。コデインを使用して12歳未満の子供が死亡したケースがあるからです。

コデインを服用すると体の中で「モルヒネ」とその他の代謝産物に変化します。
このモルヒネを含む代謝産物は咳や痛みを抑えますが、人によって代謝のされ方が異なり、過剰な濃度になると呼吸抑制が生じてしまうことがあります。小児にとってはそれが危ないため、販売中止になったのですね。またこのモルヒネは麻薬なので薬物依存の問題もあります。安易に購入することを防ぐ目的もあるのかもしれません。

さて、このコデインはケシの果実にナイフで傷をつけ流出する乳液「アヘン」に含まれています。ケシの植物名はパパウェル・ソムニフェルム(Papaver somniferum)です。
パパウェルはラテン語で「ケシ」を意味します。パーパ(幼児に与えるパン粥)+ウェールム(本当の)で本当の粥という説があります。ケシを幼児に与えるとよく眠れたでしょう。
ソムニフェルムはラテン語ソムヌス(眠り)+フェロー(運ぶ)、つまり「眠りをもたらすもの」。少量では痛みを和らげ、眠りを誘うが多量だと昏睡し、やがて死に至るとされていました。
古代ギリシャでは睡眠剤・鎮痛剤として使われていたようです。言語的には睡眠剤としての印象が強いですね。

英語のポピーもラテン語のパパウェルが語源です。同じケシ科でも麻薬の原料にならないヒナゲシ(虞美人草)は園芸種「ポピー」としてよく知られています。育てた方もいるかもしれません。ちなみにアヘンのもとになるケシは法律により栽培が禁止されています。

今年の冬は暖かくなったり、寒くなったりでなんだか変な感じです。インフルエンザも流行っているみたいですし、みなさんも風邪など引かないようにしてください!