冬の虹

病気になったことで、それまでやっていたことを諦めてしまう人が少なくありません。でも、それはあまりにも勿体ないことです。いったん自信をなくしたとしても、治療によって少しでも症状が良くなったら、諦めかけたことをもう一度やってみることは大切です。患者さんの中にある可能性を少しでも引き出せたら嬉しいと思い、普段の診療をおこなっています。
俳句を作るのが趣味だというパーキンソン病の患者さんに、是非、見せてくださいとお願いしたら次の外来受診日に持ってきてくださいました。

『冬虹に背負いきれない荷を預け』

この人にしか書くことのできない俳句だと思いました。そして、その人のことをまた少しわかったような気がしました。求める続ける限り可能性は限りなくある。

写真は、支笏湖の空に現れた「虹雲」、「彩雲(さいうん)」「 瑞雲(ずいうん)」「慶雲(けいうん)」「紫雲(しうん)」などともいいます。

野中 道夫 Michio Nonaka