介護休暇を終えて

昨年3ヶ月という長い期間 介護休暇をいただき、現場から離れました。5月30日「東京武蔵小金井で暮らす91歳の父が緊急入院した」というケアマネージャーさんからの連絡をうけ、その日の夜に帰京。それが68日間にわたる病室での付き添い生活の始まりだとは考えていませんでした。

写真1は 10時間にわたる下肢の術後、父を鼓舞するために妹が壁にかざっていた黄色い杖。父はリハビリ担当のS先生が来られると、「折角来て頂いたけれど今は結構です。」と渋い表情で毎回丁重にお断りしました。 するとS先生は「武井さん、じゃあちょと部屋の前までだけ」と上手く父をだまして(?)、結局遠くまで この杖をついて歩かせてくださり、父は生き生きした表情で帰ってくるのでした。S先生は父の職業が麻に関係していたことを覚えておられ、麻でできた消防ホースを見せに連れていってくださったそうなのです。当院でもリハビリテーションにより小さな魔法にかかったように患者さんの明るい表情がもどることがあります。一度は体験してみていただきたいと思います。

写真1

写真2は68日間介護で泊まっていた介護用ベッド。硬さもほどよく快適でした。窓際においた少しばかりの本が救いで、食事はすべて病院の1階にあったローソンで(ローソンのお弁当はしばらく食べたくないのです)。仕事のない生活では、骨格を失ったような不安な感覚をおぼえ、病院での仕事が自分の一部をつくってくれていたんだとつくづく感じました。当院の病院食は私にとっては第2の家(ウチ)の味。滋味豊かな味です。一度食べてみていただきたい味です。

写真2

写真3は新聞で紹介されていた介護にちょと関係している童話。 「エンさんと拾われたパンダのファンファンが歌をくちずさみながら山をいくつも越えて毎日医者がよい♪。いつか月日が流れ、大きくなったパンダのこぐ自転車のうしろに、老いたえんさんが乗って、医者がよい♪。苦しいこともつらいことも振り返れば思いで深い物語になる。」 とそんな内容です。父を介護できた事を有り難く思えた童話です。

写真3

当院でも毎日のように見舞われるご家族を拝見することがあります。ご苦労が多いと思いますが、患者さんご家族にとって当院が少しでも安らぎのある場所になりますように、スタッフ一同がお手伝いできれば幸いです。

 2017年1月25日 武井麻子